2022.03.31
日本人選手と欧米諸国の選手達との違い。
こんにちは!
JAPAN NORTHERN LIGHTSコーチの谷直人です。
アルペンスキーが盛んな欧米諸国の選手達と、日本人選手の違いについて考えたことはあるでしょうか。
アルペンスキーに対しての考え方やトレーニング環境や設備等様々な違いがありますが、今回は解剖学の視点から選手達の体の違いについてお話していきます。
・民族の違い
・骨格、筋肉の違い
・アルペンスキーの競技特性
この3つに焦点を合わせてお話していきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
<民族の違い>
日本人の起源は農耕民族と言われています。
農耕民族は生活の主体が稲作などの農業活動で形成されています。
計画的に食料を作ることができ食料を求めて移動する必要がなかったため定住し生活していました。
一方欧米人の起源は狩猟民族といわれています。
狩猟民族は生活の基盤を狩猟におき動物や魚を狩り生活の糧にしていました。
獲物を獲得するため一定の場所には住まず、小集団で移動しながら生活していました。
この2つの民族の大きな違いは生活のスタイルに応じて運動の仕方や体の使い方が全く異なってくる所です。
もちろん使われる筋肉も変わり、骨格も変わってきます。
車で例えるとF1と軽自動車では車を走らせるという事は同じです。
しかし速さを求めるのか、荷物を運ぶのか、目的によって車体の重さや形が変わってきます。
この民族の違いによりスキーに適し有利な骨格があります。
起源を知ることがアルペンスキーを理解するうえで大切になります。
もう少し深くみていきましょう。
<骨格、筋肉の違い>
一番大きな違いは骨盤にあります。
骨盤が前傾しているか、後傾しているかにより体全体のバランスが変わります。
そして運動の際刺激が入る筋肉の箇所も変わってきます。
ちなみに日本人は骨盤が後傾しているのに対し欧米人は骨盤が前傾しています。
骨盤が後傾すると股関節の動きはロックされやすく体の前側の筋肉に力が入りやすくなります。
また膝を高く上げるような動作も得意で腹直筋の力を使う事が得意です。
定住し移動する事を必要としない農耕民族は骨盤が後傾しやすくなっていたと考えられます。
逆に欧米人は背筋が強く、背筋は上半身を起こす動作が得意です。
前進するためには股関節の動きを良くして前に前に足を送り出さなければいけません。
そのための推進力を殿筋(おしりの筋肉)で作り上半身を起こし背筋の力を使って行動していたと思われます。
背骨は体の後方に位置します。
体の後ろ側に力が入る欧米人は体を支える能力に長けています。
背骨により近い筋肉に力が入り姿勢を作っているからです。
骨盤が前傾することにより体に軸を作りやすい民族であるともいえます。
<アルペンスキーの競技特性>
起源は平地の雪上を走るクロスカントリースキーから来ています。
雪の上での移動手段としてスキーの文化は始まりました。
雪上を移動する場合、足を取られないようにするため浮力が必要になります。
その役目をスキーが行い、雪上での移動を大幅に可能にしたのです。
アルペンスキーの場合は、早くスタートからゴールまで滑り降りるかで勝敗が決まります。
なので移動に必要な推進力を得られる筋肉に刺激が入り、落下を邪魔しない方法がアルペンスキーには必要になります。
またスピードが出るためバランス能力も必要になります。
欧米選手のような
・骨盤前傾し股関節を使う事の出来る体
・骨盤前傾し背骨周辺に力が入り軸を作りやすい体
がアルペンスキーの競技特性に合わせた理想の形になります。
<まとめ>
欧米の選手たちは自分たちの体を知り、質を高め、マテリアルを理解し戦いに挑んでいます。
我々が勝てる隙があるのか?
いつも思います。
そもそも欧米の選手が有利な条件の中で不利な我々がどう戦うのか?
まずは骨格を見直し勝てる体を作る事が必要だと思います。
それは体の大きさや筋力ではありません。
体を正しい位置に導き軸を体の中に作る事です。
明確な目標とトレーニングを行っていくことが大切ですね。
次回は桒原コーチの記事になります。
最後まで見て頂きありがとうございました。
谷