ジャパンノーザンライツ

2024.05.29

カービングターン

 

今回はスーパーマニアック度がベリーハードになります!
観覧注意でございます!
オタクの方は是非ご覧ください。

今回は

・スキーはなぜ曲がるのか?

・カービングスキーのメリット、デメリット。

・スキーと体のリンク

あくまで個人的な意見になります。

 

 

スキーはなぜ曲がるのか?


まず大前提でスキーは曲がらない道具である。という事を説明します。

???

ですよね。

スキーは実は曲がらないモノなんです。

カービングスキーが登場してきてより簡単に曲がりやすくなってきたスキーですが、根底に曲がる為の技術と知識は必要になります。

 

まずスキーは両足にそれぞれ板を履きますが、両足共同じ長さになります。

右足だけ長く、左足だけ短いなどの差はありません。

これはターン中にターン内側に傾いていても同じです。

両辺の長さが同じ場合、物体は直進していきます。

逆に両辺の長さが異なる場合は短い方に物体全体が方向を変えていきます。

 

上記の図にある円柱と円すいを横にして転がすと、

円柱→直進

円すい→とんがった頂点の方にカーブする

 

ターン中にスキー自体の長さは変わりません。

もっと細かく言うとターン中に外スキーは撓むので内スキーより長さが短くなります。

つまり辺が短くなるターン外方向にスキーは曲がろうとしていきます。

では実際どうやって行きたい方向にターンしていくのか?

ターンとターンの繋ぎ目。切り替えしからスキーが最大傾斜(フォールライン)に向くまでにスキーが曲がってくる事が重要になってきます。

カービングスキーによって向心力を多く使えるようになった事と、上記スキーの短長の性能を生かして切り替え時の次の外スキーが前ターンの抜重時に雪面を捉える事で、斜面下に重心が落ちていく力を利用してよりスキーを曲げる力を得る事が出来るようになりました。

ひと時代前に比べターンのタイミングが変わってきていると思います。

 

 

 

 

カービングスキーのメリット・デメリット


カービングスキーによって上記したように向心力を得れるようになれました。

これはカービングスキーの特性でトーションとフレックスの2つの要素を扱えるようになったからです。

元々フレックスは前のスキーから使えていましたが、トーションが加わる事でよりスキーの撓みを引き出す事が出来るようになりました。

トーションはスキーのねじれになります。

カービングスキーはしゃもじ型で前進していればスキートップから圧をもらえます。

その際スキートップが雪面を捉えた時にビンディングより前だけ雪面を捉えて斜面下に向いていく形になりスキートップとテールの間でトーションが生じます。

テールは前のターンからの慣性が働いているので急激に向きを変えるトップを前に押し出し、よりフレックスを出す形になります。

追従しながらテールは抜けていきます。

つまりカービングスキーはよりゲート上でターンを形成しやすくなっています。

曲がりやすくなったって事ですね。

 

逆にデメリットは何でしょう?

減速しにくいターンが可能なスキーに弱点はあるのか?

向心力の反対は遠心力になります。

遠心力は重力と相まってゲート下で強くなってきます。

遠心力と向心力がつり合うとスキーが両方の力の間で固定されて安定します。

つまり安定してカーブを描く事が可能になります。

カービングスキーによって向心力をターン早期から得れる事で遠心力とつり合いゲート上で安定してターン出来るようになりました。

 

しかし安定した力は逆に安定から抜け出せなくなる事を意味します。

ゲート下でも余計にターンをしてしまう原因にもなっています。

つまりカービングスキーはターンから抜け出す事がとても難しくなってしまいました。

それにより落下を止めない事が重要なアルペンスキーにおいて抜重のタイミングやライン取りがとても重要になってきました。

さらには膝や腰に重篤な怪我も増えました。

便利の裏側にはそれなりのデメリットがあります。

より道具への理解と技術への理解が必要になってきました。

 

 

 

スキーと体のリンク


カービングスキーを上手く使う事がタイムを出す事や怪我をしない事につながると思っています。

扱い方によっては曲がりやすいスキーも曲がりすぎてしまう。

カービングスキーをどう解釈するかで体の使い方が変わります。

より仕事をしてくれるのがカービングスキーだとすると、自分は何をすればよいのか?

 

では乗り手の行う事は何かというと3つあります。

・1つは動かない事。

・2つ目は乗り換える事。

・3つ目はラインを考える事。

 

・1つは動かない事

ターン入口でターン外スキーに対して軸が出来たらその軸を崩さない事が重要になります。

動く事で軸を崩すことはスキーに力が伝わらないだけでなく膝や腰をひねる動きに変わり怪我につながってしまいます。

ターン自体はスキーがしてくれると考えたら乗り手は軸を崩さず乗り続ける意識が必要になります。

 

・2つ目は乗り換える事

切り替えです。

切り替えに必要なのは前ターンで出来た圧を抜く事です。

いわゆる抜重です。

抜重の前には体の軸を解く解放が必要になります。

軸を解放して力を抜重して次のターン外スキーに乗り換えます。

この抜重が上下でなく横方向への抜重が出来れば次のターンに向かい圧がつながっていきます。

ターンに必要な絶対的なスピードを得る事が出来ます。

 

・3つ目はラインを考える事

上記2つを上手く行うとリズムが生まれます。

リズムは圧を与える、圧を抜くの2つの動作を繰り返し行う事で生まれます。

しかしそれはゲートに対しての入射角を考える事で上手く循環していきます。

間違えば良いターンは生まれてきません。

またラインは急斜面、緩斜面で異なるだけでなく、雪質、斜度のうねり、滑走者のレベル、コースの絶対スピードによって変わります。

コースインスペクションにてゲートのふり幅やコースの起伏を読めなければラインを作ることはできません。

 

少し長くなりましたが、スキーはいろんな要素が必要になります。

技術も知識をしっかり身に付けていく事が大切ですね!

 

 

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